第5の味覚「うま味」ってなに?そんな素朴は疑問を調べてみた

味覚と言われる人が感じられる味の間隔は長らく4つと言われていました。それが、甘味、酸味、塩味、苦味。それに付け加え大正時代から「うま味」なるものが味覚にはあるといわれています。でも、実際「うま味」ってどんなものかちゃんと説明できないですよね?そこで、今回調べてみました。

うま味とは簡単に言えば「ダシ」のこと

第5の味覚である「うま味」は日本人が発見しました。なぜなら日本にはダシの文化が発達していたからです。そう、誤解を恐れずうま味を身近なもので例えるなら、それは「ダシ」のことなのです。

うま味成分について

うま味成分は大きく分けて以下の3つに分類できる。

  • アミノ酸系(タンパク質を構成する最小単位の物質)
  • 核酸系(リン酸を含んだ物質)
  • 有機酸系(窒素を含まない炭素化合物)

この3つに分類したうま味成分は以下の通りです。

アミノ酸系
グルタミン酸
アスパラギン酸
核酸系
イノシン酸
グアニン酸
有機酸系
コハク酸

この中で三大うま味成分と呼ばれるのが以下の3つ

  • グルタミン酸(アミノ酸の一種)
  • イノシン酸(核酸の一種)
  • グアニル酸(核酸の一種)

これら3つはうま味調味料の成分として主に利用されるものとなる。

うま味成分を多く含んだ食材はこれだ!

三大うま味成分が多く含まれるのは以下の食材です。

グルタミン酸
・昆布
・パルメザンチーズ
・のり
・トマト
・白菜
・グリーンピース
イノシン酸
・かつお節
・煮干し
・アジ
・サンマ
・鶏肉
・豚肉
・牛肉
・車エビ
グアニン酸
・干ししいたけ
・ホタテ
・のり
・ズワイガニ
・ドライトマト
・乾燥ボルチーニダケ

どれもおいしい食材ばかりですね。また、煮込むことでさらに味が良くなるものばかりです。これはうま味が影響していたんですね。

うま味を見つけた人ってだれ?

うま味成分を見つけた人はそれぞれ違います。成分に分けて紹介していきましょう。

うま味成分を初めてみつけた池田菊苗先生(グルタミン酸を発見)

うま味を最初にみつけた人は東京帝国大学(現東京大学)の教授です。その名も池田菊苗先生ですね。この方が1908年にグルタミン酸が昆布のうま味の元であることを発見しました。

<追記>
1866年にグルタミン酸の存在はドイツのリットハウゼンによって発見されていました。よって、池田菊苗先生が活躍していた時代でも科学界ではグルタミン酸の存在は良く知られていたとのことです。今回は池田菊苗先生の重要な発見は「昆布のうまみはグルタミン酸(L-グルタミン酸ナトリウム)を突き止めたことです。よって、グルタミン酸を発見したわけではありませんのでご留意ください。

この発見は日本の十大発明の一つと数えられ、池田先生は十代発明家として名を連ねています。
(追記予定:日本人なら知っておきたい!日本が誇る10個の発明と十大発明家)

当時は38㎏の昆布(約12㎏の乾燥昆布)からうま味成分であるL-グルタミン酸ナトリウム約30グラムを得ることができたそうです。

めちゃくちゃ沢山の昆布から少量のうま味成分しか生成できないことが分かりますね。

そして、このうま味成分であるグルタミン酸に関する特許を1908年4月24日に取得します。これが「グルタミン酸を主要成分とする調味料製造法」と呼ばれるものです。

この特許を元につくられた調味料は誰もが知る「味の素」ですね。

<追記>
池田先生は味の素の創業者ではありません。池田先生は味の素の製造にかかわる特許をもっていた人物です。その特許を使った製造を当時の鈴木製薬所(後に鈴木商店、今の味の素)代表である鈴木三郎助に依頼しました。この鈴木さんが味の素の創業者です。

余談ですが、この昆布は池田先生本人が買い付けしたわけではなく妻である貞さんを買いに走らせたそうです(日本古来の亭主関白さが見えますね。こんなん現代でやったらパワハラどころの騒ぎではありません)

<追記>
奥さまに買いに走らせたなどの説は不確かな部分があるようです。追加情報を取得しだい内容更新します。

イノシン酸もうま味成分であることを確認した小玉新太郎先生

そして、池田先生の高弟(弟子の中でも優秀な人)がかつお節のうま味はイノシン酸であることを確認します。これが1913年のことです。

しかし、製造コストが高価であるため1960年代まで大規模な商品化にはつながりませんでした。

<追記>
イノシン酸そのものを発見したのはリービッヒというドイツの化学者です。小玉先生はイノシン酸がかつお節のうま味成分だと確認した人になります。

キノコのうま味成分は「グアニン酸」であると発見した國中明先生

続いて、小玉先生の研究報告を詳細に調べていたヤマサ醤油の國中先生は、1957年にしいたけのうま味成分がグアニン酸であることを突き止めます。

同時に、「味の相乗効果」も合わせて発見しています。「味の相乗効果」とは昆布のうま味であるグルタミン酸ナトリウムとグアニン酸を混ぜると驚異的にうま味が増す現象のことです。

これらの功績が認められ、國中先生は1964年に「恩賜発明賞(おんしはつめいしょう)」を受賞しています。

うま味の発見が遅くなった理由

うま味成分は単体としては「うま味」が知られる前に多くの化学者が認知していた物質でした。ではなぜ、これらが「うま味成分」だとなぜわからなかったのでしょうか?

それは、文化の違いが影響しているようです。西洋文化圏のような化学先進国の食文化は「うま味」を強めるような食文化ではありませんでした。要はダシ文化がなかったのです。

その点、日本はダシ文化が主流でした。和食の基本はダシにありますよね。そのため、うま味という概念が化学的に証明されていないだけであって多くの人が知っている存在だったのです。

そのため、うま味は日本人によって発見されたんですね。

<追記>
フランス料理のフォン・ブイヨン・コンソメはうま味を増す料理法ですが、料理文化の一部であり主流ではなかったのです。

<追記予定>
日本が誇る出汁(だし)文化。なんで発達したのかな?

うま味が第5味覚として認められたのは2000年

1908年に池田先生がグルタミン酸を発見したにもかかわらず「うま味」という成分は100年間国際的に認められていませんでした。

なぜなら、欧米の学者たちは「塩味・甘味などが調和した味覚がうま味である」と考えていたからです。また、「日本人だけがうま味を感じられるものだ」と間違った考えが主流だったのです。

それを覆えすため多くの研究が行われました。そして、その成果が表れたのが1985年。この年に開催された第一回うま味国際シンポジウムではうま味(英語表記:UMAMI)という用語が国際的に使用されます。

そして、2000年(平成12年)にマイアミ大学の研究グループが舌の味蕾にある感覚細胞がグルタミン酸に反応することを発見しました。これにより、5つ目の味覚として世界的に認知されたのです。

うま味を最大限発揮するなら相乗効果を有効活用しよう

ここまでわかったらうま味の能力を最大限引き出す方法も学んでいきましょう。

その方法はうま味の相乗効果です。そう、國中先生が発見した現象ですね。この相乗効果はアミノ酸系と核酸系のうま味を同時に使うことで発揮できます。

簡単にいえば、かつおだしと昆布だしを混ぜることでよりおいしくなるということです。

イノシン酸(かつお節だしの成分)とグルタミン酸(昆布だしの成分)を配合する場合は下記表のような現象が起こるとされています。

イノシン酸の配合割合15%まで
うま味の強さは急上昇し、よりおいしくなっていく。
イノシン酸の配合割合が15%から30%まで
うま味の強さの増加あるものの劇的な変化はない
イノシン酸の配合割合が30%から70%まで
うま味の強さの変化はほとんどない
イノシン酸の配合割合が70%を超える
うま味の強さは減少していく

なので、昆布だしを1としたらかつお節だしを1/4か1/3くらい混ぜるのがうま味を最大限にする割合となります。

うま味とは日本人の大発明だった

うま味を調べれば調べるほど日本のダシという文化の素晴らしさがわかりました。ダシの文化は江戸時代からあるものですから日本の料理人の技術力には脱帽ですね。

また、経験的にわかっている「うま味」を化学的に実証した研究者の数々も凄いですね。並々ならぬ努力が実を結び、今では国際的に「うま味(英語表記:UMAMI)が認知されたんですもんね。

いやぁ日本人に生まれて本当によかったです。だって、食べることが大好きですから(笑)

<参考文献>
ヤマサ醤油(株)HP 医薬の世界でも活躍~現代~
関西おだし専門店 だし蔵(だしぐら)HP だしとうま味ページ
特許庁HP 産業財産権の歴史-十大発明家ページ
本の万華鏡 第17回日本のだし文化とうま味の発見 第3章「うま味」の発見
北九州イノベーションギャラリーHP産業技術年表1924年生命・環境
日本うま味調味料協会HP 「うま味」なんだろう?
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』池田菊苗
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』うま味
道新ポケットブック2015年4月号 北海道新聞