北海道の総合振興局と振興局って何?ちょっとした不思議もご紹介

モン介sニュース

道産子でも北海道の総合振興局と振興局がいくつあるのかを知っている人は少ないです。そこで、私の勉強のために北海道に存在する総合振興局と振興局をまとめておこうと思います。

総合振興局と振興局って何?

北海道には郡役所の代わりに支庁が設置されていました。この支庁が北海道の出先機関として様々な事務を行っていたんですね。

支庁は1922年に14となり、「北海道総合振興局設置条例」によって2010年4月1日より9の総合振興局と5の振興局の計1に名前が変更になりました。

これでわかるとおり、総合振興局と振興局は支庁と呼ばれる国の出先機関が名前を変えたものなんですね。

北海道の総合振興局と振興局を全てご紹介

では、9の総合振興局と5の振興局の全てを箇条書きにしておきましょう。

  • 総合振興局
    • 空知総合振興局
    • 渡島総合振興局
    • 後志総合振興局
    • 胆振総合振興局
    • 上川総合振興局
    • 釧路総合振興局
    • 宗谷総合振興局
    • オホーツク総合振興局
    • 十勝総合振興局
  • 振興局
    • 日高振興局
    • 石狩振興局
    • 檜山振興局
    • 留萌振興局
    • 根室振興局

総合振興局と振興局の違い

大きな違いは、総合振興局が隣接する振興局管内の広域行政を担うことができるという点。要は、一括処理した方が効率的な仕事は総合振興局が振興局の分もやりますよ~ってことなんですね

国の仕事は税金が投入されていますから効率的に仕事をしてくださっているんですね。具体的に言うと建設管理部が行う事務や許認可などがあげられます。

総合振興局と振興局の不思議

総合振興局と振興局をみていると、ちょっとした不思議にでくわします。それは北海道を代表する大都市「札幌」が石狩振興局になっていること。だから、札幌の広域行政は空知総合振興局が担っています。

広域行政を担うなら人口が多い都市を管轄する支庁が総合振興局になった方が良いように感じますよね。不思議です。

実はこれ、総合振興局と振興局を作る際の支庁改革で起こったいざこざが関わっているんです。

物議を巻き起こした北海道の支庁改革

支庁改革は堀達也氏が知事時代からスタートし1999年(平成11年)1月に「支庁制度改革委員会」を設置したことに始まります。この時は、北海道を8に分ける8分割体制を作り上げようとしていました。

その後、高橋はるみ知事時代に突入し、支庁改革は引き継がれることになります。ここでは、様々な意見を取り入れた6支庁案が提案され議論が続いて行ったのです。

しかし、反発も強く6支庁制度は受け入れられませんでした。そこで出てきたのが9の総合振興局と5の振興局に分ける案でした。この原案は「新しい支庁の姿(案)」から「新しい支庁の姿(修正案)」へと変わり2008年6月28日に道議会で可決されました。これにより 2009年度4月以降に支庁を総合振興局・振興局へ再編するとしようとする動きが明確になったのです。

但し、満場一致という訳ではなく議場を退席する議員がいる中での強行採決でした。なぜなら、14の支庁は9の総合振興局へ再編し、総合振興局の出張所として5振興局を置くこととしたからです。北海道の行財政は悪化していたため支庁の役割を担う期間を縮小しようとしていたんですね。

そのため、5振興局になる檜山支庁、日高支庁、留萌支庁、根室支庁の4つが猛反発したんですね。格下げされへたをするとなくなってしまう可能性もあるわけですから気持ちはわかります。

支庁機能を有する機関がなくなるということは以下の減少も懸念されます。

  • 人員再編によって道職員の数の減少。
  • 経済縮小・衰退の可能性が上がる

また、以下の理由で反対する声もありました。

  • 支庁制度の歴史を重んじる

うーん。確かに、そこに住む人には影響度の高いものですよね。

北海道総合振興局及び振興局の設置に関する条例に改正・改称

そして、新しい問題が起きました。支庁再編する際に必要な公職選挙法改正が先送りになったのです。よって、支庁改革に関する条例は施工されず延期になってしまったのです。

結果、さらなる修正が必要となり反対意見を反映した「北海道総合振興局及び振興局の設置に関する条例」というものが出来あがったんですね。これは、総合振興局と振興局では法律上の振興局位置づけを削除し、双方が地方自治法上の支庁扱いになりました。これで上下関係はなくなったんですね。

札幌市を管轄する石狩支庁は振興局になる

このような改革の流れがあったため、反対意見を納得させる材料が必要でした。そのため札幌市は他の市町村からの反発を抑えるために総合振興局ではなく振興局になるとされていたんですね。これが不思議の答えです。

また、岩見沢にある空知総合振興局に広域事務をまかせることにより、札幌市への人口集中を緩和する意図もあったといわれています。

札幌市的には振興局でも全然問題ないと考えていたようです。なぜなら、札幌市は政令指定都市です。政令指定都市は都道府県の事務の一部を自分で行えるだけでなく、国との関係も対等に近い。結果、別に振興局になっても関係ないと考えていたという説があります。規模が大きいと余裕がありますよね。

多くの問題を抱える北海道の行政

北海道の行政は大きな赤字を抱えております。そのため、色々な改革が進められているんですね。その一つが支庁改革であり、総合振興局と振興局の設置だったんです。いやぁ勉強になりました。

日本自体の負債も大きいですからなんとかしないといけない問題ですよね。日本人としてそういう問題があることを認識しつつ、かつ、日本の経済を支えられるように頑張っていきたいと思いました。おしまい。

<編集後記>
北海道の改革なんて全然知らなかった私。もっともっと勉強が必要だなって感じましたね。社会系の分野が苦手ではありますが、大人になるにつれて歴史とかって楽しくなってきますよね。だから、習得意欲は結構高いです。こうやって情報をまとめたり振り返ることで自分の知識になっていくと思いますので続けていこうと思います。

<参考文献>
評論 2010年の北海道 4月北海道庁、支庁制度を「廃止」 藤巻秀夫
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 支庁
旅の知恵袋 北海道の振興局と総合振興局の違いは何でしょうか?

北海道HP 14総合振興局・振興局の一覧
北海道HP 支庁制度改革の取り組み
北海道総合振興局及び振興局の設置に関する条例
北海道総合振興局及び振興局の設置に関する条例(抜粋)(新旧対照表)

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